【都会を忘れる、隠れ家湿原】~大阪の秘境・地黄湿原~(#91)

ハイキング

大阪府能勢町にある地黄(じおう)湿原。
周囲を山に囲まれた緩やかな斜面(谷間)に位置しています。水の供給は川から流れ込むのではなく、周囲の山に降った雨が地下に浸透し、それが岩盤の隙間などからワジワと染み出して(滲み出して)維持される滲水(しんすい)・湧水(ゆうすい)湿地です。
大阪府内では非常に珍しく、かつ貴重な生態系を持つこの場所について、
面積は約1ha(テニスコート約4面分)と小規模ながら、密度の濃く、“ここ以外では滅多に見られない”生き物たちが凝縮されています。
・サギソウ
・トキソウ
・モウセンゴケ
・ハッチョウトンボ
・モリアオガエル

この湿地は、放っておくと周囲からススキや樹木が侵入し、水を吸い上げて乾燥し、最終的には「山」に戻ってしまいます。地元の保存会やボランティアが、定期的に草刈りや樹木の伐採を行うことで、日当たりと湿潤な環境を維持しています。最近では、水が一部に集中して「川」のようになってしまい、周りが乾燥するのを防ぐため、土のうを積んで水を湿地全体に行き渡らせる工夫もなされています。
活動されている方々、日々のこういった活動お疲れ様でございます。

「公益財団法人大阪みどりのトラスト協会」の活動について



そんな地黄湿原に行ってきました。
健康のため、3kg肥えた分を燃焼させるため、駐車場の有無が不明などなどから、能勢電鉄「妙見口」駅から歩いて向かうことにしました😃
“行きはよいよい、帰りはこわい”なんと往復20km。。。😨

ま~、ぶらぶらと行きますかってな感じで妙見口からスタート。
行きながら、帰りながらの道中をご紹介していきますね。


左)歩行ルート(黄線はGoogle Mapが示したルート。なのだが国道477号線を突っ切りました。これで距離にして6kmの短縮🤭)


右)Google Mapが示した歩行ルート(注:大槌峠は交通量も多く、歩道がないために、通行注意❗️)




能勢電鉄

兵庫県川西市の「川西能勢口駅」を起点に、大阪府豊能郡や猪名川町のニュータウンを結ぶ鉄道会社です。阪急電鉄の完全子会社であり、車両や運行形態にもその影響を強く受けています。車両は、すべて阪急電鉄からの譲渡車で構成されています。
阪急時代の「マルーンカラー」をそのまま、あるいはアレンジして使用しており、外見や内装(木の葉模様の壁面や緑色のシート)は阪急電車そのものです。
現在は7200系(元阪急7000系・6000系)や6000系、5100系などが主力として活躍しています。

左)空いていていいよね~😅

右)里山麓の静かなプラットフォーム。




消滅する歩道

国道477号線をひたすら北上、広い歩道もあり、歩きやすい(若干の登り傾斜)
この歩道も大槌峠手前で消滅(なんで?)

左)大槌峠手前で歩道がなくなります。

右)大槌峠。
車の往来が多く、徒歩での通行の際は気をつけてください(⚠️)




野間の大ケヤキ

能勢町のシンボルとして親しまれているのが「野間の大ケヤキ」です。
ケヤキとしては西日本最大、全国でも4位に数えられる巨木です。推定1,000年以上(平安時代から生き続けている計算になります)
高さ約27.4m、幹周り約13m、枝張りは南北38m・東西42mに及びます。1948年に国の天然記念物に指定されました。
この大ケヤキは、かつてこの地にあった「蟻無宮」という神社の御神木でした。境内の砂に「アリを退散させる力」があると信じられていたため、この名がつきました。かつては紀貫之(平安時代の歌人)を祀っていたという説もあり、文学的な歴史も重なっています。
明治時代(1912年)に近隣の野間神社に合祀されましたが、御神木であったこのケヤキだけが残され、現在は地域の人々によって大切に守られています。




林の中へ

国道から農道へ、そして林道。
山へと続く林道へ入っていく。




本命の「地黄湿原」

“なんか湿原の匂いがする”と感じていると、柵で覆われたゾーンが出現。
ほ~、ここやな❗️

「地黄の森FANクラブ」
『湿地の動植物との出会いや風景を楽しみながら、湿地環境を残していくための活動を行っています。まず一度お気軽に参加してください。
〈活動日〉毎月第4土曜日(11月~3月は第2土曜日にも実施)
〈集合場所・時間〉能勢電鉄山下駅9時30分集合。乗合で活動地まで行きます。
初めて参加される方は、まずはお問合せ・申し込みフォームからご連絡ください。』



北を向いて、東側のポイント。

『人の手が入ることにより守られています。手を入れない状態では、低木や背の高い草が繁って陽が当たらなくなり、生物の多様性が低下します。ススキ等の背の高い草を刈り取り、地表をならすなどの植生管理を行っています。また、周辺からの水の流れが大きくなることで徐々に水路を形成し、水路周辺が乾燥化します。そこで生分解性土のうで水路を埋め、堰(せき)を作るなどして、水を湿地全体に行き渡らせるといった作業を行っています。』

都市近郊にこれほど貴重な滲水湿地が残っているのは、まさに奇跡だと思います。その奇跡を、何十年もの間、地道な活動で支えてこられた皆さんに感謝いたします。この美しい里山の宝物を次の世代へ繋ごうとする皆さんの背中から、大切なことを学ばせていただいています。



きた道をトボトボと帰る

地黄湿原を見終え、そろそろ帰路へ。きた道をトボトボと帰る。






廃止となった「妙見の森ケーブル」

1925年(大正14年)、妙見鋼索鉄道として開業。当時は「下部線」と「上部線」の2区間に分かれており、現在のリフトの区間もケーブルカーで結ばれていました。鉄道の開通により、険しい山道を歩く必要がなくなったため、妙見山への参拝客が激増。年間約37万人もの利用者がいた記録も残っています。

1944年(昭和19年)太平洋戦争の激化に伴い、「不要不急線」として廃止されました。鉄材を回収(金属類回収令)するために線路が剥がされ、資材として供出されました。この時、上部線の資材は後に静岡県の「十国峠ケーブルカー」に転用されたというエピソードも有名です。

1960年(昭和35年)能勢電気軌道(現在の能勢電鉄)が免許を引き継ぎ、復活開業。下部線はケーブルカーとして再建。上部線はケーブルではなく、より手軽な「妙見リフト」として再整備されました。キャンプ場やバーベキューテラスなどが整備され、参拝客だけでなく、家族連れやハイカーが集まる「レジャーの山」としての性格が強まりました。

2013年(平成25年)開業100周年(能勢電鉄)を控え、エリア一帯を「妙見の森」と改称。リゾート地のようなロゴや、ログハウス風の駅舎への改装が行われました。
2023年(令和5年)12月3日営業終了(廃止)。設備の老朽化に伴う巨額の更新費用、少子高齢化による利用者減少、さらにはコロナ禍が追い打ちとなりました。

近くて遠かった妙見の森ケーブル。実は乗ったことがない。
自家用車の普及も追い風となってしまったのか???安易なことは言えないが、復活を願いたいものである。





総括

妙見口駅から往復約20kmのウォーキング。
いや~“歩いた”の一言。さすがに足はガクガク😂😂😂
だが、気持ちよかった。
山登りも良いのだが、日頃歩かない生活をしているので、このパターンもアリかなと。

全国で森林率ワーストを誇る(?)大阪にこんな秘境があったのも驚きでした。
もっともっと、地元を知ることが大事ですね。
あと、保全活動をされている方々には、日々の活動に感謝の意を表します。こうやって活動を促し合うことができる日本ってほんま素晴らしい国であると誇りに感じます。




【出典】
 ・Google Earth
 ・Google Map
 ・「公益財団法人大阪みどりのトラスト協会」公式サイトより
 ・「能勢電鉄株式会社」公式サイトより