先日、関西の尾瀬ヶ原をもとめて「八雲ヶ原湿原」へ。
山の中腹に広がる平坦な敷地「北比良峠」、そして清々しい初夏の「八雲ヶ原湿原」
木道(木橋)は老朽化のため、通行不可でしたが、関西の尾瀬ヶ原を堪能することができました。
帰宅後、「北比良峠」「八雲ヶ原湿原」と違和感を感じる地形にいろいろとリサーチを行うと、
なななんと!そこには「比良山スキー場」たるものが存在していた!
(そんなに驚くものでもないのか???)
山行中には先人が残した人工物の~跡地や遺跡が断片的に残されており(残っており)
自然(山の景観)に調和しているものもあれば、Why?と驚かせるものもあります。
(最近、山中の旧索道、廃線路、廃路などに心を焚きつけられる)
古い文献を斜め読みしていくと、
林業・鉱物などの運搬・観光地へのアクセスなど戦後の高度経済成長期(1950年代~1970年代)に木材需要が高まり、森林伐採が活性化した時期に山中の人工物が多く建造されたのではないかと推測できます。
近年、国有林の管理・民間林業の推進など森林管理を持続可能な取り組みとして進められています。
お話しはをもどし、「比良山スキー場」たるもの、どういった施設であったのかご紹介したいと思います。
題して、「今はなき、にぎわいをみせたスキー場」
注)シリーズにはなりません。
まずは「八雲ヶ原」までの画像















地図上での位置関係

(北比良峠から右ルートで八雲ヶ原湿原へ向かったほうが痕跡は
たどりやすかったですね)

看板をみつけました

看板には、
「周囲の山地より集結した水がここに集まって、比良の裏側を流れる葛川の一支流、奥の深谷の水源地となっている。学術研究のための調査によれば、ミズゴケの層と砂の層が交互に重なり、過去何千万年の間に、時には乾燥した砂原となり、時には現在のような湿原になる、といった循環が行われていたことが良くわかる」
なるほどです!
比良山スキー場とは
比良山スキー場は、
比良山地の観光開発の一環として、比良索道株式会社(親会社:京阪電気鉄道株式会社)により運営・管理が行われていました。
開業年: 1961年
閉業年: 2004年

●比良山スキー場の当時のパンフレット

●スキー場までのアクセス
〈比良登山リフト〉
山麓駅~シャカ岳駅を結ぶリフト
全長:1093m
〈比良ロープウェイ〉
シャカ岳駅~山上駅を結ぶロープウェイ
全長:1248.93m
※参考Website
http://cable.cocolog-nifty.com/sakudo/2005/08/20043_e3db.html
当時の様子
もちろん、当時の写真を持ち合わせておりません。
ので下記の方々にご協力いただき、写真の掲載をさせていただきました。
・「滋賀県総合教育センター」様
https://www.shiga-ec.ed.jp/www/contents/1438589538268/index.html
・「いにしえの達人 たま」様
https://yamap.com/activities/5710786
・「パンダとかっぱの宝箱Holdings」様
https://kappanda.web.fc2.com/railh/railekisw/reswsiga5.html
比良登山リフト_山麓駅

閉業してからの山麓駅

開業中の山麓駅

山麓駅入口の写真
比良登山リフト

閉業してからのリフト

開業中のリフト

高度感が半端ではない
比良登山リフト_シャカ岳駅

リフト降り口

シャカ岳駅看板(カタカナ表記)
比良ロープウェイ_シャカ岳駅

比良ロープウェイ_シャカ岳駅

ロープウェイの仕様

運行中のロープウェイ(味がありますね)
比良ロープウェイ_山上駅

比良ロープウェイ山上駅

山上駅にあるダンプカーと重機
(林道があるんでしょうね)
北比良ロッジ

北比良ロッジ

写真中央下のケルンの位置が変わっていなければ、右のオレンジの建物がロープウェイ山上駅。丘上(左上)の建物が北比良ロッジとなります。


なんの木なのか?
当時の写真を検索してみたが不明のまま。

上記の写真と比較すると、右側にロープウェイ山上駅、左側の丘上に北比良ロッジが建っていたことになります。(ケルンも写っています)
八雲ヶ原ゲレンデ・八雲ヶ原ヒュッテ

シーズン中。
八雲ヶ原湿原(どの辺りなのかは確認できず)

シーズン中。
第1ペアリフトと八雲ヒュッテが確認されます。八雲池は枯渇しています。

シーズン中。
↓下記写真の白い小屋がこちらでも確認できます。

濁水の池(?)でしょうか。

八雲ゲレンデ方面。第1ペアリフトが残っています。

八雲ヒュッテ(木の裏の赤い屋根)。池が涸れている時期でしょうか。


上記写真との比較。
赤四角:リフト乗降口位置(推測)
赤点線:第一ペアリフト位置(推測)

上記写真との比較。
赤四角:八雲ヒュッテ
青四角:茶色屋根の建物

上記パンフレット内にある「ちびっこゲレンデ」はこの辺りと推測できます(湿原と云われている地帯)
スキー場ゲレンデ


●2003年3月
当時のスキー場の様子が非常にわかりやすい写真です。
当時スノーボーダーとして、余呉高原スキー場(現ヨゴコーゲンリゾートヤップ)に通っておりました。まだスノーボードの認知度が低い中で、関西圏では珍しくスノーボード滑走が許されていたゲレンデでした(全面滑走ではなかったと記憶しております)
あと、びわ湖バレースキー場、箱館山スキー場など滋賀県のスキー場へは足しげく通っておりました。
”比良山スキー場” うっすらと記憶には残っておりますが、当時なぜ?行かなかったのか思い出すことができません。
閉業になっていたことも知らず、ここへきて知ることができ、好奇心がそそられたのは、何かあるのかもしれません。
さらなる歴史をもとめて、続編でご紹介したいと思います。
【出典】
・Google Earth
・Google Map
・「索道観察日記」サイト内
・「滋賀県総合教育センター」サイト内
・「いにしえの達人 たま」サイト内
・「パンダとかっぱの宝箱Holdings」サイト内