滋賀県と三重県の県境、滋賀県東近江市に「イブネ・クラシ」は鎮座しています。
「鈴鹿の奥座敷」と云われ、鈴鹿セブンマウンテン北西に位置しています。
イブネ・クラシの山頂には苔が一面に広がっており、まさに苔の楽園!!!
そうなんですが、
イブネ?
クラシ?
漢字の国日本では、ん?となる。
と云うかどういう意味なの?
まずはそこからなんですが、日本で山・川・土地でカタカナ表記がありますよね。
例えば、京都のナッチョ(山)、奈良のバリゴウヤノ頭(山)、奈良のナメゴ谷(紅葉スポット)などなど。
その土地々々の言い伝えごとであろうとは思いますが、なぜにカタカナなのか???いつも考えさせられます。
結構楽しいですよね、Google mapでカタカナ表記ものを探すの(笑)
まずは「イブネ」の由来、諸説あるようです(Website調査)
① 漢字で書くと「伊船」、山容が横たわった船のように見えたことからの説(多数ありました)
② 「伊吹根(イブキネ)」とも書かれ、「伊吹山」の根元、またはその一部を指すという説。伊吹山は近隣に位置しており、地域の風景や地形に基づいて命名された可能性もある説。
※とても気になりますので、文献を確認しに滋賀県(or三重県)へ行ってきます。
次に「クラシ」の由来です(Website調査)
① 山頂付近に多くカモシカが生息していた説。クラシシとはカモシカの別名。
「嵓猪」「嵓羊」 と云っていたことからの由来(多数ありました)
〈ちょこっと考察〉
・三重県菰野町公式サイトより引用
「ニホンカモシカをこの地方ではニク、クラシシという呼び名があります」
1960年に開園した「日本カモシカセンター」が御在所山上にあった(2006年閉鎖)ことから
考えると、当時の生息数は多かったのでしょう。
・「嵓猪」「嵓羊」について、
嵓という漢字: 音読みで「ガン」、訓読みで「いわ」・「いわお」・「けわ(しい)」
意味はけわしい・高くて険しい山とかかれています。
山に携わる方はこれを「クラ」・「グラ」と読みますよね、
例えば大台ケ原の「大蛇嵓(だいじゃぐら)」などなど。
漢字は難しい。。。(涙)
では、嵓猪・嵓羊ですが意味合いとしては、「険しい山にいるイノシシ or ヒツジ」ってこと
ですかね???
イノシシ or ヒツジに例える必要はあるのか?って気もしますが。
ここで面白い文献が見つかりましたので、ご紹介いたします。
長野県大町市が発行している【山と博物館】という出版物があります。
内容はかなり充実しており、読み応えがあります。
バックナンバーをみていくと、なんと!昭和1956年初版となっており、継続されていることの
素晴らしさを感じました!
バックナンバーの中から2000年3月25日_第45巻_第3号内に
「ニホンカモシカの呼び名と語源」-百六十三種の分類-(完結編)①に非常に興味深い事柄が
掲載されていました
※抜粋して掲載しております。

●ヒクラシシ
岩壁に棲むカモシカという意味ですね。

●クラシシ
クラシシ≒ヒクラシシですね。

●シシ
シシ≒カモシカですね。

●クラシ
クラシシの略称と云うことですね。
〈考察〉
上記文献を参考に、下記考察を試みてみました。
・クラシ(山、鈴鹿山脈含めて)は、カモシカが多く生息していた(している)山であった。
・クラシは、地域性(方言を含む)・民族性を含め、カモシカのことである。
考察より、(単純に)クラシ≒カモシカで良いのではないかとの結論に自身は行きつきました。
※こちらも気になりますので、文献を確認しに滋賀県(or三重県)へ行ってきます。
【出典】
・Google Earth
・Google Map
・「三重県菰野町」公式サイト
・市立大町山岳博物館公式サイト広報誌「山と博物館」より
・「ニホンカモシカの呼び名と語源」-百六十三種の分類-より