新潟県・福島県へ遠征シリーズの第一弾は、裏磐梯の「五色沼湖沼群」。毘沙門沼から柳沼まで、五色沼探勝路7.9kmを約3時間かけて歩いてきました。
コバルトブルー、エメラルドグリーン、赤茶色。隣り合った沼なのに、なぜこれほど色が違うのか。まずは、五色沼湖沼群が形成された経緯(歴史)から触れてみたいと思います。
五色沼湖沼群の形成された歴史
1888年7月15日:水蒸気爆発と山体崩壊
●噴火のメカニズム(水蒸気爆発)
1888年(明治21年)7月15日午前7時45分頃、磐梯山が噴火しました。この噴火はマグマが直接噴出するものではなく、地下深くのマグマの熱で熱せられた地下水が急激に気化して起こる「水蒸気爆発(水蒸気噴火)」でした。
●小磐梯(こばんだい)の消滅
内部の高まった蒸気圧に耐えきれなくなった山頂北側の峰「小磐梯」(標高約1,700m)が、山ごと吹き飛ばされる形で大崩壊(山体崩壊)を起こしました。
岩屑なだれ(がんせつなだれ)と「流れ山」の形成
●巨大な岩屑なだれ
崩れ落ちた膨大な量の岩石や土砂(約12億立方メートルと言われます)は、時速100kmを超えるスピードで北側の谷へと駆け下りました。これを地質学で「岩屑なだれ(デブリ・アバランシェ)」と呼びます。
●「流れ山」と凹地(凹み)
崩落した土砂や巨大な岩の塊が平地に堆積すると、無数の小さな丘(小山)が作られます。これを地質学用語で「流れ山(ながれやま)」と呼びます。
五色沼の湖沼群は、この「流れ山」と「流れ山」の間の凹地に水が溜まってできたものです。
河道閉塞による湖沼の誕生と「水色の化学」
●川のせき止め(河道閉塞)
岩屑なだれは長瀬川とその支流を完全に塞ぎ止めました。これにより、大規模な堰止湖である桧原湖・小野川湖・秋元湖が誕生したほか、約300もの大小様々な湖沼が一夜にして生成されました。
●なぜ沼ごとに色が違うのか?
山体崩壊によって剥き出しになった火口跡(現在も高い酸性の水が湧く「銅沼(あかぬま)」など)から、アルミニウムや鉄、珪素などの温泉性鉱物・化学物質を含んだ水が流れ込みました。
▶️コロイド粒子による光の散乱: 水中に浮遊する微細なアルミニウム化合物(ケイ酸アルミニウムなど)が太陽光を浴びると、青い光を強力に散乱させる現象(レイリー散乱/ミー散乱)が起こります。
▶️環境の微小な差: 各沼へ流れ込む温泉水の割合、酸性度(pH)、水深、水草や藻類の生息状況、底質の違いにより、エメラルドグリーンからコバルトブルー、赤茶色まで多彩な色変化が生まれています。
荒野から緑の森へ:植林の父「遠藤現夢」の功績
●「死の原野」からの再生
噴火直後の裏磐梯は火山灰と岩石、泥流で覆い尽くされ、不毛の荒野(死の原野)となりました。 民間による執念の植林この荒廃した地に緑を取り戻そうと立ち上がったのが、会津若松の商人遠藤現夢(えんどう げんむ)です。彼は私財を投げ打ち、明治末期から大正時代にかけて10万本以上(アカマツやウルシ、カエデなど)の苗木を植林しました。
●現在の五色沼へ
現在、探勝路を包み込む美しく豊かな赤松林や森は、自然の復元力だけでなく、人間の熱意による緑化運動(エコ・レストレーション)の結晶でもあります。※探勝路沿い(柳沼と青沼の間)には、遠藤現夢の業績を称える「顕彰碑」が建てられています。
磐梯火山1888年噴火の堆積物分布
●緑色の枠線(1888年岩屑なだれ堆積物)は、山体崩壊によって崩れ落ちた土砂が埋め尽くしたエリア。分布面積は約34k㎡、流出した土砂の総量は約1.2〜1.5k㎥(東京ドーム約1,000個分以上)にも及びます。この膨大な土砂が裏磐梯高原を作り出しました。
●緑色のエリアが北側の川(長瀬川など)を塞き止めたことで、北端に檜原湖・小野川湖・秋元湖が形成され、その手前の凹凸(流れ山)の間にできた約300の湖沼群の一部が現在の五色沼になりました。

●赤い破線エリア(火砕密度流): 噴火の際、時速数百キロに達する高温のガスや火山灰の爆風(当時の人々は「疾風」と呼びました)が南東方向になぎ倒すように吹き抜けた範囲です。
●水色のエリア「L」(ラハール): 噴火後半に降った猛烈な泥雨などにより、川に沿って流れ下った巨大な火山泥流の跡です(猪苗代町の天然記念物「見祢の大石(左画像)」もこのラハールで運ばれました)。
出典:産総研地質調査総合センターウェブサイト(https://gbank.gsj.jp/volcano/Act_Vol/bandaisan/page3_20.html)
散策ログ
五色沼探勝路のルートと所要時間(7.9km・約3時間)
五色沼探勝路を3Dで歩く
※HTML書き出しを可能にしました。
五色沼探勝路の山行動画
沼ごとの色を見比べる|毘沙門沼から柳沼まで
当日の朝食
散策路と五色沼
裏磐梯ビジターセンター
ナイスな蕎麦屋
散策を終え移動中に立ち寄った
「蕎麦物語 遊山」
店内撮影禁止とのこと。
ざる蕎麦をいただいたのだが、今までにない食感と風味。
オススメです。
その夜のお宿「温泉民宿ももたろう」
チャキチャキ女将が営む心温まるお宿
「温泉民宿ももたろう」
鮎釣りのオジ様方が多く泊まられていました。

がっつり福島県を堪能させていただきました。
ありがとうございます。
天気予報はずーっと雨(雷)。
夕方まではなんとか天気ももったが、夕方からゲリラ豪雨(台風接近中で天候は不安定)
明日からの尾瀬行けるのだろうか???
【出典】
・Google Earth
・産総研地質調査総合センターウェブサイト
・中町フジグランドホテル
・裏磐梯ビジターセンター
・蕎麦物語 遊山
・温泉民宿 ももたろう



























