奈良県吉野郡下北山村にある「不動七重の滝」に行ってきました。
日本の滝100選にも選定されており、落差約110mの段瀑。
観瀑台からの距離でも大迫力を感じることができました。

下北山村は紀伊半島の中央東よりにある人口約800人の小さな村。森林率は92%と、山と木いわゆる森林に囲まれた自然豊かな村である。動物(鹿・猪)の方が多いのでは???と思わず突っ込んでしまいそうになるのだが。。。そんな大自然に囲まれた奈良県、様々な視点から森林率・滝・山について考察してみようと思う。
※森林率とは、その地域がどれだけ森林に覆われているかを示す重要な指標。
森林率=(総土地面積/森林面積)×100(%)

森林率
✅️日本の森林率
約66%
世界でも五本の指に入る森林大国である。
✅️奈良県の森林率
約77%
森林率80%台: 高知県、岐阜県(都道府県全体の4.3%)
森林率70%台: 19都道府県(都道府県全体の40.4%)
森林率60~50%台: 15都道府県(都道府県全体の32.0%)
森林大国である日本、奈良県の77%という数字もそんなに驚くべきことではないような気がする。次は人口密度という視点で見てみよう。
人口密度
✅️人口密度
日本: 333人/k㎡
奈良県: 356人/k㎡
下北山村: 6人/k㎡
ちなみに、奈良県の最大人口密度都市は、大和高田市の3,787人/k㎡、東京都で6,402人/k㎡、大阪で4,599人/k㎡となっている。大都市の数値が高く、過疎地の数値が低い。当たり前のことなのだが、市区町村単位との比較は難しいのであろうと感じる。またいかに狭い範囲(市区町村)に人口が密集しているのかが、改めて理解できた。といっても、鹿と猪よりかは人のほうが多い気もする(場所にもよるが)通勤時の満員電車とは無縁な土地、人に会わない日もあると思われる(それはそれで羨ましい気がする)


森林率・滝
奈良県は “滝の宝庫” である。
「日本の滝百選」にも4滝(4箇所)選定されており、北海道の5滝(5箇所)に次ぐ選定の多さである。
〈選定されている滝〉
・双門の滝
・不動七重の滝(今回行ったところですね)
・笹の滝
・中の滝
選定には、日本全国から527滝の応募があったと記されている。
ちなみに、大阪府は1滝のみ(箕面大滝)
では、日本国内の滝の数はどのくらいあるの?
国・自治体の公式な滝の数は公表(集計できていない)はされていない。これには「滝の定義」が明確にされておらず、高さ(落差)、幅、一時的に水が流れる(落ちる)、急斜面を水が滑るようなものなどカウントが難しい事情があるようだ(確かに。。。)
そんな中、(恐らく)個人で滝巡りをされ、情報収集と発信をされている「ようこそ滝ペディア!」という超~素晴らしいサイトを発見した。登録されている滝の数は13,092箇所、訪問(調査)した数は3,139箇所と圧巻の数字である。独自の評価基準を設け、滝ごとに評価点をつけられている。
不動七重の滝は、5.00(満点!)
こちらサイトから数字を引用させていただくこととする。
✅️都道府県別滝の数ランキング(多い順)
長野県: 749箇所
岐阜県: 738箇所
兵庫県: 639箇所
三重県: 611箇所
奈良県: 581箇所
なんと❗️奈良県は滝の数で、TOP5に君臨しているのだ。山に蓄えられた水は、じっくりと湧き出、流れをつくり川となり、段差が生じると滝となる。このことから滝の有無あるいは数は、山がある・森林が広い(多い)と比例しているのではないのかと考えられる。先ほどの森林率とリンクしているのか表にまとめ確かめてみる。
✅️滝の数TOP5と森林率(高い順)
| 滝の数 (箇所) | 森林率 (%) | 森林率全国順位 ※高い順 | |
| 長野県 | 749 | 78.7 | 3位 |
| 岐阜県 | 738 | 81.1 | 2位 |
| 兵庫県 | 639 | 66.5 | 27位 |
| 三重県 | 611 | 64.4 | 30位 |
| 奈良県 | 581 | 76.9 | 6位 |
関連性があるようで、ある?ない?
そこで、
「水を貯める・蓄える、水が豊富」≒「広葉樹が多い」≒「天然林が多い」というキーワードを加え表にまとめてみる。
※マーキングは項目ごとのTOP3(1位:赤 、 2位:青 、 3位:黄)
| 森林率順位 (高い順) | 滝の数順位 (多い順) | 人工林面積 (k㎡) | 天然林面積 (k㎡) | 人工林面積 (個) ※琵琶湖換算 | 天然林面積 (個) ※琵琶湖換算 | |
| 高知県 | 1 | 19 | 3,879 | 1,951 | 5.8 | 2.9 |
| 岐阜県 | 2 | 2 | 3,842 | 4,295 | 5.7 | 6.4 |
| 長野県 | 3 | 1 | 4,401 | 5,484 | 6.6 | 8.2 |
| 島根県 | 4 | 22 | 2,053 | 2,979 | 3.1 | 4.4 |
| 山梨県 | 5 | 14 | 1,534 | 1,718 | 2.3 | 2.6 |
| 奈良県 | 6 | 5 | 1,719 | 1,048 | 2.6 | 1.6 |
| 兵庫県 | 27 | 3 | 2,382 | 3,059 | 3.6 | 4.6 |
| 三重県 | 30 | 4 | 2,300 | 1,329 | 3.4 | 2.0 |
表より、
✔ 天然木(広葉樹)が多いと、滝が多いのか??? 長野県、岐阜県、兵庫県はそんな傾向といえる。
✔ 奈良県は、天然木というイメージより、人工林(吉野杉)のイメージが強いと感じる。
✔ 高知県の天然林面積に対して、奈良県、三重県の天然林面積が小さい(狭い)のだが、滝の数は多い。
森林率・滝・山
森林はどこにあるのか?
森林の定義を調べてみる。
〈森林法〉より抜粋
主として農地又は住宅地若しくはこれに準ずる土地として使用される土地及びこれらの上にある立木竹を除く。
一 木竹が集団して生育している土地及びその土地の上にある立木竹
二 前号の土地の外、木竹の集団的な生育に供される土地
〈FAO(国際連合食糧農業機関)〉より
・面積: 0.5ha(5k㎡)以上
・樹高: 樹高が5m以上になる樹木が生育している、または将来的にこの樹高に達する能力があること
・樹冠被覆率: 樹冠(木の葉や枝が覆う部分)の被覆率が10%以上であること
・その他:: 主として農地や住宅地など、森林以外の目的に使用されていない土地であること
・補足: この定義には、竹林やヤシ林、ゴムのプランテーションなども含まれる場合がありまが、果樹やパーム油のためのプランテーションは含まれません。
要するに山! 森林≒山ということでも過言ではない。そこで、水を貯める(蓄える)“ 山 ”をパラメータとして加えてみる。
まずは高知県から、順に都道府県ごとの山(山地・山脈・山系)をみていく。
(プラスして、河川延長調・年間降水量・年間降雪量も記す)
※河川延長調: その地域での河川の長さ(一級河川・二級河川・準用河川)
注)本来であれば流域面積が良いのだが、公式なものは見当たらない。。。
※年間降水量: 各地点での値(2024年データ引用)
※年間積雪量: 各地点での値(2024年データ引用)
☑️高知県
⚫️東西に伸びる四国山地。西に石鎚山(1,982m)、東に剣山(1,955m) を有しており、山地を境に南部(高知県側)は高温多雨となっている。県土の約84%が山地という、全国でもトップクラスの山国(全国平均は60%台)。北部から中部にかけては、これらの高峻な山岳が連なる急峻な地形が特徴。四国山地から流れ出る多くの川(仁淀川、四万十川など)は、日本でも有数の清流として知られている。太平洋からの湿った空気をブロックするため、高知県は年間を通して降水量が多い地域。こういうことから水が非常に豊富であり、森林の成長を助長しているといえる。
⚫️河川延長調
3,383km
⚫️年間降雨量(地点:本川)
2,666mm
⚫️年間降雪量(地点:本川)
0cm
☑️岐阜県
⚫️飛山濃水(ひざんのうすい)という言葉で表現されるように、飛騨地方の雄大な山々と、木曽三川(木曽川・長良川・揖斐川)に代表される濃尾平野の豊かな水が特徴の県。岐阜県北部の飛騨地方は、日本を代表する山岳地帯であり、特に高峻な山々が連なっている。岐阜県東部(東濃地方)には中央アルプス、御嶽山と日本を代表する山々が連なっている。
⚫️河川延長調
3,377km
⚫️年間降雨量(地点:ひるがの)
3,682mm
⚫️年間降雪量(地点:白川)
779cm
☑️長野県
⚫️「日本の屋根」とも呼ばれ、日本を代表する山岳県です。県土の約84%が山地という、極めて山岳がちな地形が特徴。飛騨山脈(北アルプス)、木曽山脈(中央アルプス)、赤石山脈(南アルプス)、他に八ヶ岳連峰、浅間山、御嶽山、霧ヶ峰とその山の多様な表情がある。
⚫️河川延長調
7,039km
⚫️年間降雨量
2,889mm(地点:上高地)
⚫️年間降雪量(地点:小谷)
588cm
☑️島根県
⚫️日本列島の日本海側に位置し、東西に細長い地形が特徴です。県土の約78%が山地・丘陵地で占められており、日本でも有数の森林県。中国山地の主軸は標高1,000m~1,300m程度の山々で構成されている。島根県側は、この中国山地の北側斜面に当たるため、全体的に日本海に向かって比較的急傾斜してる。中国山地の北側には、大山・白山火山帯の一部が走っており、特徴的な火山性の山々が見られる。
⚫️河川延長調
3,091km
⚫️年間降雨量(地点:桜江)
1,841mm
⚫️年間降雪量(地点:赤名)
385cm
☑️山梨県
⚫️西部には、日本で2番目に高い北岳(3,193m)をはじめ、間ノ岳、仙丈ヶ岳など、3,000m級の山々が連なる赤石山脈がそびえる。南部には日本を代表する独立峰である富士山(3,776m)が静岡県との県境に位置する。北部から東部にかけては甲武信ヶ岳をはじめとする奥秩父山地がある。
⚫️河川延長調
2,291km
⚫️年間降雨量(地点:乙女湖)
1,747mm
⚫️年間降雪量(地点:河口湖)
64cm
☑️奈良県
⚫️奈良県の南部は、県の大部分を占める広大な山岳地帯であり、「近畿の屋根」とも呼ばれる紀伊山地の一部を形成。南北に約50km連なる大峰山脈は、修験道の聖地として知られ、険しい岩峰が特徴。奈良県と三重県の県境に位置する台高山脈には、日本百名山の一つである大台ヶ原山(1,695m)がある。日本屈指の多雨地帯としても知られ、豊かな原生林と独特の自然景観が魅力である。
⚫️河川延長調
2,043km
⚫️年間降雨量(地点:天川)
1,920mm
⚫️年間降雪量
観測データ無し
☑️兵庫県
⚫️県土のほぼ中央を東西に走る中国山地によって、日本海側と瀬戸内海側に大きく分けられています。この中国山地が、太平洋側と日本海側の水の分かれ目となる「中央分水界」を形成、氷ノ山(1,510m)をはじめとする1,000m~1,500m級の山々が連なっています。氷ノ山は、日本二百名山にも選定されており、広大なブナ林や豊かな自然が魅力である。
⚫️河川延長調
3,881km
⚫️年間降雨量(地点:兎和野高原)
2,339mm
⚫️年間降雪量(地点:兎和野高原)
544cm
☑️三重県
⚫️三重県、滋賀県、岐阜県にまたがる鈴鹿山脈。三重県側からは比較的アクセスしやすく、登山やハイキングの人気スポットとなっている。三重県の中央部から南部にかけては、近畿地方の屋根ともいえる紀伊山地の一部を形成する高峻な山々がそびえ、大台ヶ原山は、日本有数の多雨地帯として知られ、年間降水量が非常に多いのが特徴。この豊富な雨が、苔むした原生林や、宮川源流の清らかな流れを育んでいる。
⚫️河川延長調
3,540km
⚫️年間降雨量(地点:北勢)
2,249mm
⚫️年間降雪量
観測データ無し
表にまとめてみる。
※マーキングは項目ごとのTOP3(1位:赤 、 2位:青 、 3位:黄)
| 森林率順位 (高い順) | 滝の数順位 (多い順) | 天然林面積 (個) ※琵琶湖換算 | 河川延長調 (km) | 年間降雨量 (mm) | 年間降雪量 (cm) | |
| 高知県 | 1 | 19 | 2.9 | 3,383 | 2,666 | 0 |
| 岐阜県 | 2 | 2 | 6.4 | 3,377 | 3,682 | 779 |
| 長野県 | 3 | 1 | 8.2 | 7,039 | 2,889 | 588 |
| 島根県 | 4 | 22 | 4.4 | 3,091 | 1,841 | 385 |
| 山梨県 | 5 | 14 | 2.6 | 2,291 | 1,747 | 64 |
| 奈良県 | 6 | 5 | 1.6 | 2,043 | 1,920 | — |
| 兵庫県 | 27 | 3 | 4.6 | 3,881 | 2,339 | 544 |
| 三重県 | 30 | 4 | 2.0 | 3,540 | 2,249 | — |
表より、
✔ 「滝の数が多い≒河川延長調が長い」と言える(のではないか)
✔ 「年間降雨量が高い≒森林率が高い≒滝の数が多い」と言える(のではないか)
✔ 「年間降雪量が高い≒森林率が高い≒滝の数が多い」と言える(のではなのか)
“逆”に見てみよう。
森林率が低い順の滝の数はどうなのか?
まずは森林率が低いベース。
| 森林率 (%) | 滝の数 | 滝登録数での割合 ※全体13,092滝 (%) | |
| 千葉県 | 28.8 | 152 | 1.16 |
| 大阪府 | 29.8 | 126 | 0.96 |
| 茨城県 | 31.0 | 287 | 2.19 |
| 埼玉県 | 31.4 | 208 | 1.59 |
| 東京都 | 36.0 | 203 | 1.55 |
| 神奈川県 | 39.0 | 181 | 1.38 |
| 愛知県 | 42.1 | 408 | 3.12 |
| 福岡県 | 44.9 | 203 | 1.55 |
| 35.38(平均) | 1,768(合計) | 13.5 |
表より、
✔ 「森林率低い≒滝の数は少ない」と言える(のではないか)
〈 最終考察 〉
1年前に書いた記事。途中で落としどころ(明確な境界線が不明瞭)を見失い、執筆が滞っていました(忘れていた)
書き加える作業を再開しようと試みたのですが、やはり落としどころが見えず、まとめていた記事を眺めていると見つかりました落としどころ。
掲載しているデータ(数値)は割と信憑性があり、このデータだけでも活用できるのではないのかと感じ、簡単ではありますが、最終考察を発表いたします。
✔ 「森林率高い ≒ 山岳地帯が広い(山が多い)≒ 滝の数が多い ≒ 年間降雨量・降雪量も多い」
以上
【出典】
・「ようこそ滝ペディア」サイトより
・「国土地理院」公式サイトより
・「気象庁」公式サイトより
・「国際連合食糧農業機関」公式サイトより
・「森林法」公式サイトより










